水玉に恋をした
○○

 桜が散って、青々とした新緑が世界を輝かせる。



 そんな日曜日



 隣の家の犬の散歩を頼まれて近くの川原に座り込み込む。



 何が嬉しくて、人の家の犬の散歩なんて……。



 嬉しそうに川原を駆け回る隣の犬、小太郎を見下ろしながら、ペットボトルのお茶を飲む。



 穏やかな風とキラキラ光る川面、眩しい季節なんて好きじゃない。



 俺は、土手にゴロンと寝そべって、青い空を見上げる。



 うっすらと晴れた青空に、大きな綿菓子みたいな雲が幾つも浮かんでいて、嫌味なくらい気持ちがいい。



 このまま眠れそうだな……。



 小太郎のことを忘れて、俺はちょっと目をつぶる。




 キャン、キャン!!



「えっ? わつ! きゃっ!!」



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