僕らの宇宙戦艦奮闘記


「りょ…了解。」


「ホムラ、さらに速度上げるで!」


 操舵輪を握り、美並が叫ぶ。


 ホムラ、さらに加速。


 隕石を追い越し、さらに下に・・・。


「成層圏を突破したぞ!美並、まずいって!!」


 うるさい、村山!


 艦長と副艦長の言うコトに逆らうな!


 雲が見えたと思ったら、一気に晴れ渡る。そこに広がるのは、アフリカの広大なサバンナの大地。


「あぁ、神様~」


 神頼みは、最後の最後にするモンやで花子。


「大丈夫や!」


 そういえば、斉藤が前に言っていた。


 艦長席に座っていると、どうしてホムラが子供にしか動かせないのか、分かるような気がすると・・・。


 確かに、ここで操舵輪を握りながら、指揮を執っていると、見えてくるものがある。


 きっと、ホムラには意思があって、戦うことを嫌っていたんだ。


 戦うことがいやで、だから自分の星から逃げ出し、地球に迷い込んだんだ。


 だけど、この星にも戦いがあって、それでもホムラは戦うことがいやで、だから、戦う意思のない、子供たちだけを選んで乗せていたんだ。


 でもな・・・ホムラ、逃げてばかりじゃアカンのやで。


 戦わないと、自分以外の人が大勢悲しんでしまう・・・そんな時もあるんやで。


 だから・・・・・・・根性見せんかい!


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