僕らの宇宙戦艦奮闘記



『美並!』


「祐太!」


 祐太と、美並が叫ぶ。


 雅は船首を思いっきり右に振り回し、それに呼応するように、美並が操舵輪を思いっきり右に回した。


 戦艦投げ。


「「大・雪・山!」」


 必殺技発動。


 本来ならありえない速度で、ホムラは右に大きく旋回する。


 慣性の法則で、左に振られる身体。


 両足に力を入れて、懇親の力で踏ん張る。


「「「「ぎゃあぁああ!!」」」」


 艦橋組のみんなだけではない。


 通信モニター越しに、ありとあらゆるクラスメイトから悲鳴が上がった。


 だけど、その甲斐あって・・・。


「隕石・・・真正面!」


 宇治原の叫び声。


 分かってる。それを狙っていた。


 あとは、任したぞ。吉田!!


 美並は叫ぶ、懇親の力をこめて、そこに全ての想いをこめて・・・。


「主砲!撃て―――――!!!!」


 巻き起こる砂塵。


 地面に落ちる、雅。


 そして、アフリカ大陸から、はるか成層圏、大気圏を越えて、宇宙へと飛び出ていく長い長い一本の光の筋・・・・。


 ・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして・・・・・・・・。


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