僕らの宇宙戦艦奮闘記


「・・・・・・・隕石、予想落下時刻・・・通過・・・。」


 最初に声を上げたのは、宇治原君だった。


 目の前に広がるのは、青い空。


 下に広がるのは、広大なサバンナの大地。


「…やった…?」


 美並が誰に聞いているのか、分からないけど、質問をした。


「…隕石が、衝突している様子は、ないですわね…。」


 花子もそれに続く。


「空に浮かんでる様子もないな…。」


「やったの?」


 …やった。


 やった…やった!!


「やったぞぉ!!!」


 うをぉおおおお


 とたん、戦艦中から歓声が沸き起こった。


 やったで、祐太、斉藤、カルラ、佐倉、花子、宇治原、村山、佐々木、吉田…それに、他にもたくさん。


 みんな、みんなのおかげや。


 ホンマにうちは…。


「!…雅、急浮上!山崎君、どうしたの?」


 一時の感情は、宇治原君の声で遮られた。


 低空飛行で安定しているホムラの横を、ものすごい勢いで遮っていく雅。


 向かう先は、はるか上空…いや、この速度…。単体で宇宙にまで上がる気か?


『なんでもない!美並たちは先に帰ってて。』


 そんな、通信が一瞬だけ入ったかと思ったら、即効切れた。


 あほ!先に帰れるか!


「どういうことや?」


 祐太の奴、忘れ物でもしたのか?


 呆けていると、斉藤が、千鳥足で艦長席に近づく。


「捉えたな、祐太の奴。無茶しやがる。大雪山をやった後だぞ。雅にも相当負荷がかかっていることが、分かってないのか?」


 捉えた?


 何を?…敵を?


 だったら、なんでうちらに…。


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