僕らの宇宙戦艦奮闘記


「祐太、無理しちゃダメ!」


「ピーチダック援護するよ」


 とたん、雅の前に現れる5機の小型戦闘機。


 ピーチダック!


 まさか、ピーチダック単体に、大気圏を脱出するほどの機能はなかったはず。


 …ということは…。


「一人でかっこつけんじゃねぇ!」


 通信機から聞こえるのは、まぎれもなくホムラ艦長、斉藤雄二の声。


 冗談。


「そっちこそ!」


 下がってろよ!


 ホムラがもう満身創痍だということぐらい、分かっているんだ。


 だったら、現状で戦えるのは僕ぐらいだろう。


「対空放射!狙いは、言うまでもないな!」


 雅を追い越し、カブトムシ戦艦に突っ込むホムラ。


 瞬間ホムラから発射される、大量ミサイル。


 ただの目くらまし。


 狙いがあさってなのは、砲撃手の腕の問題ではなく、まだホムラが安定姿勢に入ってないから。


 あ~、もう


「だから、雄二はバカだと言ったんだ!」


 素直に逃げればよかったのに。


『アホ!一人でつっこんで!そういうのは、無謀言うんや!祐太、うちらのこと信用してないん?』


 美並からの通信。


 そっちこそ!


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