僕らの宇宙戦艦奮闘記


「雅の戦闘力を侮らないでよね。」


 祐太、覚醒…。


 雅のバーニアを一気にふかして、再度ホムラを追い越す。


『おい、バカ!』


 雄二の通信など耳に入らない。


 カブトムシ戦艦の対空砲火なんて、あくびが出る。


『敵戦艦から、新たな機影!…ピーチダック型?祐太さん!』


 見えてる!


 戦艦から現れた、3機の小型戦闘機。


 姿、形はピーチダックと同じ。


 ただし、桃色のピーチダックに比べ、向こうは黒。


 さながら、ブラックダックと言ったところ。


「遅いんだよ!」


 祐太は、対空砲火が飛び交うカブトムシの射程空間の中で、正確に敵ピーチダックを撃ち落とす。


 三発のライフル。


 すべて、命中。


『…すごい。』


 美並の声。


『…あれぐらい、祐太なら普通。』


 これは、カルラの声。


 どちらでも構わない。


『おい、勝手に撃ち落とすなよ。戦闘データ取ってあるのか?』


 雄二がそんなこと聞いてくるが…。


「さっき、どこかの誰かが無茶させたせいで、うまく起動しなくなったから切ったよ!そっちこそ、どうなのさ?」


 そりゃ、とらなくちゃいけないことぐらい分かっているけどね。


『ICIが壊滅状態だぞ!無理に決まってるだろ!』


 あっそ。


 そんなことだと思ったよ。


『ちょっと、どういうことですの!戦闘データが取れないんじゃ、ただの破壊工作になりますわよ!』


 何言ってんの?花子。


 そりゃ、法律上そうかもしれないよ。


< 117 / 140 >

この作品をシェア

pagetop