僕らの宇宙戦艦奮闘記
「雅の戦闘力を侮らないでよね。」
祐太、覚醒…。
雅のバーニアを一気にふかして、再度ホムラを追い越す。
『おい、バカ!』
雄二の通信など耳に入らない。
カブトムシ戦艦の対空砲火なんて、あくびが出る。
『敵戦艦から、新たな機影!…ピーチダック型?祐太さん!』
見えてる!
戦艦から現れた、3機の小型戦闘機。
姿、形はピーチダックと同じ。
ただし、桃色のピーチダックに比べ、向こうは黒。
さながら、ブラックダックと言ったところ。
「遅いんだよ!」
祐太は、対空砲火が飛び交うカブトムシの射程空間の中で、正確に敵ピーチダックを撃ち落とす。
三発のライフル。
すべて、命中。
『…すごい。』
美並の声。
『…あれぐらい、祐太なら普通。』
これは、カルラの声。
どちらでも構わない。
『おい、勝手に撃ち落とすなよ。戦闘データ取ってあるのか?』
雄二がそんなこと聞いてくるが…。
「さっき、どこかの誰かが無茶させたせいで、うまく起動しなくなったから切ったよ!そっちこそ、どうなのさ?」
そりゃ、とらなくちゃいけないことぐらい分かっているけどね。
『ICIが壊滅状態だぞ!無理に決まってるだろ!』
あっそ。
そんなことだと思ったよ。
『ちょっと、どういうことですの!戦闘データが取れないんじゃ、ただの破壊工作になりますわよ!』
何言ってんの?花子。
そりゃ、法律上そうかもしれないよ。