僕らの宇宙戦艦奮闘記


「はい!先生!うち砲撃手やりたいです!」


 先生が教壇に立ったとたん、美並が元気よく右手を上げる。


「・・・・・・まだ、何も言ってないのに、いきなり叫ぶな美並。」


「もちろん、私が学級委員長・・・艦長に決まっていますわよね?」


 続いて、花子も髪をかきあげ、ふふんと鼻を鳴らした。


 それをきっかけに次々と好きなことを言い出す生徒たち。


「・・・・・・・・・私はオペレーターがいい・・・・・」


「お、だったら、俺は操舵手がいいな。」


「え~操舵手は女の子でしょ?」


「俺、俺はプログラマー!」


「だったら、私、ニンジャになるわ。」


「だったら、俺は総理大臣だ!」


 まさに、一瞬にして未成年の主張の場と変貌する。


「黙れ、お前ら!それと、ニンジャと総理大臣はワケ分からない!さらに言うなら、カルラ、お前にオペレーターは無理だ!」


 それを一蹴する、神林…もとい筋肉先生。


 Sクラス担任を任されるだけあって、生徒たちをまとめ上げる統率力は並ではないのだ。


「・・・・・・残念、だったら、ニンジャか総理大臣になる。」


「・・・究極の二択だな。」


 ですよねぇ~


「さて、まぁ、ここまで騒いでおいて説明するまでもないと思うが、この焔学園2年Sクラスは『特権階級クラス』と呼ばれている。その最大の理由は、君たちには、これから1年間。地球上で唯一の巨大宇宙戦艦『戦艦ホムラ』の運営を許可される。」


 そう、これが、焔学園2年S組の『特権階級』なのである。


 戦艦ホムラ・・・それは、世界を三度焼いても、まだなお有り余るエネルギーを要する超巨大戦艦の名前・・・。




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