僕らの宇宙戦艦奮闘記
第十六章
最初は、吉田君の一撃だった。
ホムラ、主砲発射。
威嚇射撃だというのは、威力と角度から分かる。
吉田君は言った。
『連射ができなければ、主砲の意味がない。』
当然だ。
充電に何時間もかかったり、一度撃つたびに、しばらく撃てないということになれば、兵器としての有効性に欠ける。
ホムラの恐ろしいところは、月すら一瞬で消してしまう、その主砲を連射できるところであり、それこそがホムラの最大の強さだと言える。
だから、この威嚇放射の後に待っているのは、さらなる主砲。
しかし、カブトムシ戦艦は、ホムラの主砲を不思議な壁で難なくはじく。
『バリア!?』
叫んだのは佐倉さん。
『工作船やからな、それぐらいあるやろう?』
『SFだね…。』
宇治原君も今更、何を…。
『ホムラに乗ってる、私たちがそれを言いますの?』
『なるほどね…ホムラの主砲が無意味に強力すぎるわけだ。敵にバリア装置を持っている船があれば、それを破れるぐらいの破壊力を有することにもなる。』
何、雄二はのんきに分析しているのさ?