僕らの宇宙戦艦奮闘記


『失敬な。僕たちのチームはそんな下手じゃない。』


『そーだ。そーだ。』


 ごめん、吉田君たち、砲撃チーム。


 でも、邪魔なことは確かなんだよ。


 祐太は、雅の速度を上げる。


 相手との距離、約30メートル。


 念のため、銃をしまいナイフ装備に切り替える。


 先ほどのブラックダックの瞬殺でこちら側の戦闘力の差を悟ったのか、カブトムシが対空砲火をさらに強めながら、後退を始める。


「遅い!」


 狙うは、カブトムシの角の部分。


 一閃。


 瞬間、鳴り響く、轟音、爆破、閃光…煙幕…。


 …って、あれ?


『宇宙で、轟音なんて、あり得ませんわ!』


 いや、煙幕もないよ。


『ジャミングか…。』


 そう…轟音に聞こえたのは、通信機越しに響いた、トラップ。


 煙幕は姿を消すために、しかけた罠。


 つまり、これらの意味することは…。


< 122 / 140 >

この作品をシェア

pagetop