僕らの宇宙戦艦奮闘記


「御冗談を!斉藤さん以外に、現ホムラの艦長を任せられる人はいませんわ!」


 理事長室で、花子は吠えていた。


 目の前には、自分の祖母…焔学園の理事長とおじさん、副理事長がいる。


 白髪交じりの髪の毛を後ろで縛り、しわだらけの祖母の顔。


 こうして、面と向かって話し合うのは、学校内では初めてかもしれない。


「しかしだね、花子。PTAからの苦情も殺到していてね。」


「軽傷者13人…戦艦ホムラ運営を初めて、これほどの被害を出したのは、今年が初めてだ。」


 黙れ、副理事…いや、腰巾着!


「だからと言って、斉藤雄二を艦長から下ろすのは、納得いきません!それに軽傷者…と言いましたよね?重傷者を出してないのだからいいではありませんか?」


「出てからじゃ、遅いんだよ!」


 分かってる!


「だから、斉藤さんを艦長から下ろし、私に艦長になれとおっしゃるのですか?」


「そうだ。伊集院花子。お前なら、成績も優秀、家柄も申し分なく、聞きわけもいい。十分、艦長の素質があると言える。それに合わせて、副艦長や雅パイロットも変更をする予定だ。あいつらに任せていたら、今度こそ重傷者…いや最悪死傷者を出しかねん。」


 ‥‥‥‥怖いねん、震えがとまらんねん。


 ‥‥…うるせぇ、俺はこの艦の艦長様だ。


 ‥‥‥‥大丈夫、僕が美並たちを守るよ。任せて。


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