僕らの宇宙戦艦奮闘記
「あなたたちも、私のくだらない冗談に、何を真剣に取り組んですか?」
‥‥‥‥‥…え?
「理事長…。」
「おばあさま…。」
神林先生と花子が同時に声をあげた。
「私は、今後、このような事態が起きたら艦長降板もありうると言っただけです。厳正な審査によって選ばれた、艦長と雅パイロットをそう簡単に降板するわけないじゃないですか?」
「理事長!本気ですか?」
副理事が声を上げる。
「…こんな出来事は、ドラマの中だけの世界だと思ってましたよ。最近の若い人たちは、周りの人たちを、大切にする…そんな基本的なことすら忘れていると思ってましたから。」
理事長は花子に目線を一瞥すると…。
「あなたを、ホムラのオペレーターに置いたことは、間違いではありませんでした。予想以上の立派な女性に成長してくれて、私はうれしいです。」
「ありがとうございます。おばあさま!」
「…できれば、学校では理事長と呼んでくれるとうれしいんだけどね。」
理事長は、そういうと久々に花子に満面の笑みを浮かべくれた。
「ありがとうございます。理事長。」
神林先生もそれに続く。
「時々、大人の言葉は子供の成長を妨げます。これからもSクラスにはたくさんの非難の声が浴びせられるでしょう。神林先生。あなたは…」
「分かってます。生徒を守るのが、教師の役目。教師生活13年。これほど、燃えるシチュエーションはありません。」
「…私の配役は間違ってなかったみたいですね。」
理事長は、にんまりと笑うと、はい、授業時間ですよ。みなさん教室に戻りなさい、とやんわりと促していった。