僕らの宇宙戦艦奮闘記


 その後、様々なドラマを経ながらも、その時のクルーは全員無事に生還し、当時、艦長を務めた初代2年Sクラス(当時は2組)だった、学級委員長、夢村誠君は、現在世界最年少のNASA専属宇宙船パイロットに就任している。


 戦艦ホムラというのは、木星から地球に帰還する間に、彼らがつけた名称である。


 赤くて、強いから、ホムラ。


 当時のアニメのキャラクターからとったらしいのだが、詳しいことは分からない。


 しかし、この事件をきっかけに、停滞していた研究はさらに進む。
システムは一切起動しなくなるが、なんとか大人も中に入ることもできるようになった。


 通信機もなんとか地球との連絡手段を得て(これは、航行中に小室中学生クルーが発見した)様々な地球製の設備も増設された。


 特に航行中にクルーたちによって発見された『無人汎用型戦闘機、ピーチダック』と『人型汎用機 雅』も正式に災害救助用装備に換装されたことは大きい。


 しかし、どれだけ研究しようと、どうしてこの戦艦は子供にしか動かせないのか…、その理由だけは判明しなかった。


 一応後の研究で、戦艦は地球人の『13歳~14歳の少年少女』が乗ったとき、さらには『特に日本人の13歳~14歳の少年少女』が乗った時に、非常に良い反応を示すということが分かっている。


 パイロットたちの総体重とか、ホルモンバランスの影響だとか、この戦艦には意思があって、かなりのロリコンもしくはショタコンなのだ。とか、色々言われているが、明確な理由はいまだ、さっぱりである。


 そのような経緯があって、結局、動くことが判明しても戦艦の所有権は日本が頑張って勝ち取った。


 小室中学校も県立から、私立に変更名前を『焔学園』と改め、(ホムラという名前が残ったのは、当時のクルーたちに対する敬意が込められている)小中一貫教育に変わり、戦艦ホムラを動かすためのエリート要請学校に変貌した。


 この戦艦の運営を任されるというコトは、15年たった今でもさっぱり謎すぎる戦艦ホムラの研究の協力を義務付けるというコトである。



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