僕らの宇宙戦艦奮闘記
「戦艦ホムラ、臨戦モード移行。ピーチダック出撃準備!」
いつまでも、グダグダしてても仕方ない。
雄二の判断は早かった。
「りょ…了解。戦艦ホムラ、臨戦モード移行。」
さすがに、宇治原君もその判断には戸惑ったのか、アナウンスが遅れた。
それでも、しっかり、仕事をこなしてくれるあたりは、さすがはメガネキャラ。
「臨戦モード移行、ピーチダックカタパルト、01から04まで解放。今回は救助と捕獲が主な任務のため01、02は私の操縦、03、04は佐々木君が操縦します。」
艦橋からカルラが着々と指揮を出す。
「第一艦橋隔壁開きますわ。」
花子の言葉に呼応するように、今まで艦長席の後ろにあった壁が左右に開いていく。
現れたのは、大量のコンピューターがめまぐるしく動く、ICI室。
そのコンピューターの管理を任されている、ICI担当5人は、総じて目を丸くしてこちらを見ている。
思うことはただ一つ。
「「「「「‥…マジ?」」」」」
ですよねー。
「…マジ。」
答えたのは、カルラ。
そりゃ、誰だってそんな言葉も出てくる。
今日はただのデモンストレーションで、雅だって出撃したのち、軽く戦艦の周りを飛んで見せた後、再び着艦する予定だった。
そのため、戦艦は最低速度までスピードを落としているし、高度だってぎりぎりまで落ちている。
安全面においても、最大限の注意を払っていて、どう転んでも『臨戦モード』が必要な状況ではないのだ。