僕らの宇宙戦艦奮闘記
つくづく、戦艦ホムラは宇宙戦艦用であって、逆に地球上で運行するにはいささか不利になる要素がたくさんあることが、この構造からも理解できる。
ただ、だったらなぜ、最初から艦橋とICIの間に壁があり、臨戦モードの場合に限りその壁が開くのかは、謎なのだが…。
「臨戦モード移行により、指揮権は斉藤雄二とカルラ=マルガリータの2トップになりますわ。」
花子が一応、礼儀として説明するが、厳密にはまだ、斉藤雄二の方が指揮権としては上に立つ。
ただ、ピーチダックの動きに関してのみ言えば、カルラの命令が最上位に立つのだ。
このあたりの命令系統がいささか複雑なのだが、さすがに斉藤雄二一人では、戦艦からピーチダック、雅の動きまで指揮することはできないのだ。
「了解、ピーチダック、01から04まで発進。」
ゴウッという音とともに、カタパルトから、ピーチダックが4機出撃したのが、ここからでも見えた。
普通の戦闘機に後ろ半分が非常に膨れ上がった形をしている、いささか不格好な桃色の戦闘機。
見た目がアヒルっぽく、色は桃色だから、ピーチダック。
全長は3メートル前後。
最高速度はマッハ1
主な武装は、両脇についている50ミリバルカンと、超高熱レーザー。
オーバーテクノロジーのまとまりである、戦艦ホムラの中においては、いささか見劣りするマシーンであるが、この戦闘機の魅力は、何よりも戦闘機にとどまらない汎用性にある。(もっとも、大気圏外圏内問わずに、航行可能という時点で十分、オーバーテクノロジーなのだが。)
ピーチダックの両翼から二本ずつ生える、計四本のアーム。
先端は三本爪になっており、これらがいかようにも動き、ホムラの修理から災害救助。さらには、接近戦まで行う万能性を見せるのだ。