僕らの宇宙戦艦奮闘記


「ちょっと、宇宙ってどういうコトですの?」


「そうや、普通、宇宙実験言うたら、早くても二学期に入ってからやないか?こんな、一度しか航行してないのに、宇宙に行くとか、聞いたことないで。」


 宇宙実験は、毎年2年Sクラスがある程度、戦艦の扱いに慣れてきた二学期から実施されることが多い。


 もちろん、クラスの戦艦の扱い方のレベルに応じて、その時期は前後するが、大体は9月から10月が、例年の宇宙実験の機関だ。


 こんな4月の2年生なりたての時期から、宇宙実験なんて聞いたことがない。


 ましてや、進水式でアレだけの大ポカをやっておいて・・・。


「・・・・宇宙・・・サザエが取れない。」


 カルラさんは、そこしか考えるところがないの。


「いや、まぁ、元々春先から宇宙で実験したいというのは、上層部の考えだったんだよ。元来戦艦ホムラは宇宙戦艦なんだから、宇宙でこその実験が必須だしな。」


 そりゃ、二学期からの宇宙実験と、4月からの宇宙実験じゃ、得られる成果が全然違うものな・・・。


「だからって、何も今年のこんなヘッポコチームに任せることないじゃない。」


 あ~佐倉さん・・・。


 あなたも、そのヘッポコチームの一人ですよ~一応・・・。


「悪いな、航法士は仕事大変だと思うけど・・・。」


「そういうコトを言ってるんじゃないのよ!斉藤も見たでしょ、あの山崎の雅操縦を!」


「そう、それ!」


 え?どれ?


「なんや?お偉いさんは祐太の操縦に笑いの神様でもみつけたんか?」


 むしろ、笑いの神様を見つけて、宇宙に連れて行くお偉いさんが、どんな神経をしているのかを知りたい。


「でも、それに近いな。」


「「「マジで!?」」」」


そりゃ、そんなツッコミもクラス中から湧いてくる。


< 50 / 140 >

この作品をシェア

pagetop