僕らの宇宙戦艦奮闘記
「いいけど、どこに?」
「うん?私がさっき見たのは、トイレだったから、もう戻ってるはずだし、雅のコックピットだと思うよ。」
言われて宇治原君が通信機をいじる。
雅のコックピットというコトは、祐太か。
目の前の通信機をカチャカチャといじり、雄二たちの前に現れたのは…
『・・・・え?』
「ブー!!!」
…女装した、山崎祐太だった。
長い栗色をした長髪カツラをつけてアイラインを引き、ほんわかと薄ピンクのルージュを引いている。
ここからだと、首から上しかよく見えないが、この様子だとパットも入れてないか?
『ちょっ!雄二、どうして通信繋がっているのさ!?』
完全に動揺しきった祐太の顔。
いや、なんと言うか・・・よくお似合いで・・・。
「祐太、なんだその格好。もしかして下も女性用制服なのか?」
『そんなコトあるわけないでしょ!』
「残念ながらパイロットスーツだけは、特注品やから、それは男物なんや。」
あ~あ、女性用パイロットスーツがあればなぁ~・・・と、そこだけは心底残念そうにつぶやく美並。
『これの、どこがアガリ症克服装置だよ!美並が僕のこと女装させて遊びたかっただけでしょ?』
「失敬な。そんなコトあるわけないやろ?イメージチェンジして自分の殻から抜ければ、祐太の・・・いや、裕子ちゃんのアガリ症も万事解決というヤツや!」
裕子ちゃん・・・裕子ちゃん。
「ブー!!」
『笑わないでよ!ちょっと宇治原君!いつまで通信つないでるのさ!早く、ロック外してよ。通信切れないよ!』
「・・・・・・・・・・。」
いや、待てもう少し見させろと、言うまでもなく宇治原、そして花子は画面に映る祐太・・・もとい、裕子ちゃんを見ながら、ボーとしていた。
その目は恍惚に浸っており、心なしか、顔も赤らんでいるように見える。
・・・・オイオイ・・・。