僕らの宇宙戦艦奮闘記
第二章

 小中一貫教育の私立焔学園の校舎内は、その内装だけなら一般的な学校とそう大差はない。


 白く塗られた、コンクリートの壁にフローリングの廊下。


 教室には、暖房器具も備えられており、全教室『ある教室』を外し30人学級が徹底されている。


 その中で、唯一例外的に『40人学級』である中等部2年Sクラスは、そんな校舎から一歩離れた場所に存在する。


 この学校で、13~14歳がそろう中学2年生というのは、かなり特別な意味を持ち、本来なら2階に設置されるべきである2年生の教室は総じて一階に設置される。


 A~Dクラスが並んでいる、教室群を抜けるとちょっとした離れに一般的な教室より一回り大きな教室が用意されてあり、そこが『特権階級』2年Sクラスの教室となる。


 正直、他の教室に比べて離れた場所にあるため、ここに1年間通い続けるというだけでも、いやになってくる。


「やっぱり、私以外ありえませんわ。この教室の室長となるべく選ばれたエリートといえば!」


 そんな二年Sクラスに、コレでもかと言わんばかりに肩を落として入ると、金髪ロン毛つり目碧眼お嬢様が、左手うちわで騒いでいた。


 相変わらず、うるさいな。


「あ、花子もSクラスだったんだ。」


 とりあえず、これで2年連続同じクラスだね。


 嫌だったけど…。


「その名前で呼ぶのはおやめ!」


 いや、だって、花子じゃん。


 伊集院花子じゃん。


 カルラと同じく、こちらはイギリス人とのハーフだというのに、名前の中にまったく外人らしさが見えない、見た目だけなら欧米人の、カルラと真逆を行く伊集院花子じゃん。


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