指輪
しばらくすると車が止まった。


「あっ鈴起きたの~?」

あたしまた寝てたの・・・・・・?


「うん。もう海に着いた??」

あたしがそう尋ねるとお姉ちゃんは


「まだ。あと20分くらいで着くよ。」

あと20分か・・・

あたしは暇だな~と思い,ふと外を見た。

暗い。というものじゃなかった。

真っ暗だ。


「今何時なの??」

あたしは不思議に思い聞くとお姉ちゃんは平然と答える。


「12時だよ。」

「はぁ??」

思わず声が出てしまった。

12時というとあたしがカラオケBoxを出たのが9時だったから3時間も車を走らせていることになる。

『ここはどこ??』とか『これからどうするの??』とか聞きたいことはたくさんあったけど聞かないで置く事にした。


もう1度外を見た。

次は窓ガラスをあけて外の空気を吸いこんだ。

そこで目に入ったのは満天の星たち。


「きれい・・・・・・」

無意識のうちに声に出ていた。

お姉ちゃんはあたしを見て安心したような顔を見せた。


「おねぇ・・・「チャラチャラチャラ~」」

あたしが話し掛けようとすると携帯が鳴った。

どうやら電話みたい。

出ようとしたけどディスプレイに表示された名前を見て躊躇った。

< 25 / 102 >

この作品をシェア

pagetop