指輪
橋の下は日陰になっていて少し肌寒い。


絵を探していると人がいる気配がした。

近づいてみるとやっぱり人がいてあたしの絵を見ていた。


「あの~すみません・・・」

声をかけるとその人はあたしの方を見る。


その人の顔を見て驚いた。

そして持っているスケッチブックを落としてしまった。

落ちたスケッチブックはその人・・・

いや八尋の足の上。


「いって~!!」

八尋は足を抑えて飛び跳ねている。


なんで八尋がここにいるのよ・・・


「おい!てめぇ・・・って鈴ちゃん??」

「そう。鈴ちゃん。」

とっさに返事をしてしまったけど

あたしは八尋からの連絡は無視しまくった。


逢いたくない状態なんだけど・・・

って付き合ってるわけじゃないし大丈夫か。


< 39 / 102 >

この作品をシェア

pagetop