指輪
「八尋・・・?」

八尋を見上げながら呟くように言うと

「来たかったんでしょ??」

と悪魔みたいに微笑んだ。


あたしは少し恥ずかしくなった。


そんなあたしはお構いなしに八尋は

『鈴ちゃんにはこれが似合うよ~』

など主にワンピースを物色している。


あたしも八尋がいるところに行くと

あたし好みのワンピースばっかりキープしてある。


すごく嬉しくてたくさん試着をした。

そして八尋が『1番似合う』と言ってくれたワンピースを買う事にした。


もう一度試着ルームへ入り着替えをしようとすると

八尋が『着たままでいいよ!!』と外から声をかけてくる。


疑問に思いながらもドアをあけるとまた八尋に手を引かれた。

今日のあたしは振り回されすぎじゃない・・・???


八尋はそのままお店をあとにした。

あたしは歩きながらも何か忘れている気がした・・・


「あっバック!!」

ん??バックは八尋が持ってる・・・

・・・・・・・・・


「あ゛―――――――ッッお金払ってない!?!!」

あたしが気付いたときにはそのお店が見えなくなっていた。
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