指輪
「今どんなデザインが人気か知りたいし。

 男1人じゃ入りにくいじゃん。」

八尋は1人ジュエリーの話をしている。


あたしは我に返ったとき八尋のある言葉が耳に入ってきた。

『作るときに役に立つ。』


単純に考えると八尋はアクセサリーとかを

自分で作っている。

ってことになる。


「八尋のつけてるアクセってさ・・・

 自作だったりする??」

謎(?)を解明するため聞いてみた。


「うん。」

即答した八尋はあたしを見て『どうしたの?』と聞く。


「ううん。なんでもない。」

好きな人に作ってあげるの??

とか思ったけど。

気にしない。


だってあたしと八尋は付き合ってるわけじゃないから。

あたしのエゴを押し付ける事になる。


「ほら。

 入るんでしょ??」

初めてあたしが八尋の手を引っぱった。

中に入ってすぐ離しちゃったけど。


ショーウィンドウの中が目に入ったあたしはキラキラの世界に吸い込まれた。

指輪のところが一番好きだった。

清楚なのにインパクトあるものもあるし,

すごく派手だけど身に付けやすいものもある。

目を輝かせているあたしを見て八尋は笑っていた。


< 56 / 102 >

この作品をシェア

pagetop