指輪
「あれ~この前の子じゃない??」

声の聞こえた方を見るとこの間のナンパ男たち。

最悪・・・・・・

あたしは知らないふりをする。


でもナンパ男たちは近づいてきてあたしを囲む。


「ねぇ。

 この間俺たちすごく格好悪かったんだけどな~」

自業自得じゃんか・・・・・・


「だからお詫びしてよ。」

なんで詫びなきゃなんないの??

こいつら頭大丈夫か・・・?


「ほら行こうよ~」

1人のナンパ男があたしの腕をつかんだ。


「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」

あたしはこのとき自分の意思じゃないように感じた。

鍵をしたはずの箱が開いてしまったの。

中から思い出したくない過去の映像があたしの頭に流れる。


錯乱しているあたしを放置しナンパ男たちは立ち去ろうとする。

それを阻止したのは八尋だった。


「お前らもうしねぇて言わなかったか・・・?」

そう言ったのが聞こえた。

あたしはうずくまって泣いてたの。

震えてたの。


そして怖かったの。

八尋に拒絶されてしまいそうで・・・・・・




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