指輪
どれくらい泣いたのだろう・・・

やっとあたしの涙は止まってくれた。


顔を上げると空に星が輝いていた。

泣きやんで泣いて泣きやんで泣いての繰り返し。


どうしても隣にいる八尋を見るとないてしまう。

恐怖が取り除かれたわけじゃないけど・・・

八尋がまだいてくれてるって思うと嬉しくなって。


あたし矛盾してるね。


「ごめん八尋。

 もう大丈夫だよ・・・・・・

 こんな時間までつき合わせてごめんね。」

「気にすんなって!!

 もう遅いし送る。」

八尋はニカッて笑って言った。

あたしはその言葉に甘えることにした。



「ねぇ八尋・・・

 あたしの目腫れてない??」

八尋と歩く帰り道。

あたしは何回この質問をしただろう。


「大丈夫だって。

 暗くて分からないけど・・・」

そして八尋の答えは毎回一緒。


お姉ちゃんになんて言われるか・・・

すごく不安。

あたしに説明ができる??


「大丈夫だって。

 そんな不安そうな顔しないでよ。」

八尋があたしの頭を撫でる。

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