指輪
「ここどこ…?」

あたしが尋ねると『快楽の世界だよ』と笑って答えた。

そしてあたしは押し倒された。

訳が分からないあたしは『やめて』を連呼していた。


「おとなしくしてたらすぐすむから……」

悪魔みたいに笑ったお兄ちゃんにあたしは犯された……



気付いたらあたしは家のベット。

夢だと思った。

悪い夢だと……

でもそんな都合よくいかなかった。


「おはよう。」

学校に行く途中お兄ちゃんに声をかけられた。


「昨日は楽しかったね…
 また行こうね。ホテル……」

このとき血の気がひいていくのが分かった。


その日は学校へは行かず家でシャワーを浴びた。

赤くなるまで身体を洗った。

何回も吐き気に襲われながら……


それから2人になることは避けた。

でもよくボソッとあたしがどうだったとかを耳元で言ってきた。

それはお兄ちゃんが引っ越すまで続いた。

引っ越すって聞いたときあたしはよろこんだ。

もう会わずにすむって。


それから3年たったときあたしには彼氏がいた。

順調に付き合ってた。

でもあたしは彼にあの日の事を言ったの。

受け入れてくれるって言ったから。

なのに彼はあたしの話を聞き終わったあとこう言った。

『汚い』と。

あたしはその日から『あたしは汚いんだ』

そう思うようになった。

そしてあたしは人は信用しないし恋もしなくなった。
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