指輪
「っというわけ」

あたしは笑顔で八尋を見た。

ちゃんと笑えてたかな……?


「無理して笑うなよ。
 辛かったんだろ。
 これからは俺が守るから。」

八尋はあたしの頭を撫でてくれた。

気付けば涙が頬を伝っていた。

そして八尋に身をあずけあたしは涙が枯れるんじゃないかと思うくらい泣いた。


「鈴さーん。
 先生来たよ〜」

それから3時間がたったころ先生が来た。

あたしが泣き止んで10分後だった。


そして先生と話を終えてあたしたちは病院を出た。

約一ヶ月の入院生活が終わった。




「鈴ちゃーん!!
 迎えに来たよ〜〜」

あれから1ヶ月。

八尋とは毎日逢っている。

というより八尋が勝手に夏休みの間は家まで来て、学校が始まると学校まで迎えに来る。

嫌じゃないけど。

でも校門から叫ぶのだけはやめて欲しい……


帰りなどは別に普通。

友華といるような感じ。

前と変わらない。


あたしは我が儘だけど八尋との距離を縮まったらいいなと思う。

約3ヶ月一緒にいるのに距離は縮まらない。


でもこのままでいいやと思う。

そしたら八尋と一緒にいることが出来るから。

卑怯かな……?
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