指輪
気付けばここはどこ状態。

初めて来たところだ……


「八尋〜
 ここどこ??」

あたしが横を向くと八尋は笑い出した。


「ここに来たかったわけじゃないの!?」

とか言って。

来たかったわけじゃないのよ〜だっっ


「ここは河原から少し歩いたところ。」

そう教えてくれながらも笑っている八尋。


「もう!!
 帰るっっ」

あたしは八尋を置いて歩き出した。

追いかけて来たけど。


「あっそういえばさぁ〜
 鈴ちゃん俺がやった指輪つけてなくない??」

やばっっ


「もしかして気に入らなかった!?」

いやそうじゃない!!

なんて口に出したくないけど。


もちろん指輪はつけてない。

かといって無くしたわけでもない。

そしてあたしはあの指輪をすごく気に入っている。


「大丈夫!!
 無くしてないから。」

……可愛くないあたし。

どうして素直になれないかな。


「そっか〜
 もしかして水色嫌いだった!?」

ないない。

むしろ大好き!!

なんて口に出せない……


「あっそういえばあたし来週1週間くらい修学旅行だった!!」

そして家の前まで来たのでお別れ。
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