冷酷系女子



「なんかすげーよな、月島百合って」



そらが、あたしのこと褒めてる…?

話の内容が気になるあたしは、ドアを開けるのを忘れて耳だけをドアに近づけていた。



「百合ちゃん、入らないの?」



中々入ろうとしないあたしを清香が不思議そうな目で見る。



「あっ、うん、もう少ししたら」

「?」



だって、そらがあたしの話なんてしているから…



「ほんと変わってんだよな、あの人。
クールビューティーとか言われてるけど実際そーでもないし
自分にしか興味ないのかと思えば、自分自身に一番興味なかったり。
しっかりしてそーで、そうでもなくて
カギの開け方だって知らねーし」

「カギ?」

「あー、なんか女子に閉じ込められて?この部屋のカギ、開けれないでいてさ
思い出したら笑える。」



好きな人が笑っているのは嫌じゃないけれど、あたしが笑われているっていうのはなんだか納得できない。



「ふーん、だからココなのか」

「ま、なんつーか無意識で。」

「無意識ねぇ~」

「…まあ動かされてんだろ、お前も、早瀬も、俺も?」



………そら

それってどういう



―ガラッ


「颯くん!!!」



あたしの後ろから、清香が手を伸ばしてドアを開ける。



「あ、清香ちんと百合ちゃん」

「颯くん、あのね、わたし…」

「仲直りできた?」

「えっ」



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