冷酷系女子



清香がちらっとこちらを見る。

それからすぐ颯の方に向き直して、うんと返事をした。



「そっか、よかったじゃん!」



颯が笑う。

清香は、戸惑いながら颯とは目を合わせられずに下を向いていた。



「颯くん、あの、本当にごめんなさい…わたし、すごくひどいこと…どうしたら許してもらえるか、わからないけど……」

「うーん、どうしよっかな…」



颯が腕を組ながら、険しい顔をする。

かと思えばすぐいつもの笑顔に戻り、驚きの一言を発した。



「デート1回でいいよ♪」


「「?は?」」」



な、なんて事を言うの颯



「そ、そんなことでいいなら…」



ほら、清香もびっくりして了承しちゃって…

あ、そらは!そらはいいの!!?
清香が、颯とデートしても……



「やったー
逆にラッキー!どー?うらやましー?」



にやにやしながら颯がそらの顔を覗き込む。

けれど、そらは全然動じていなかった。



「ま、いんじゃね」



えっ、いいの?

清香が颯とデートだよ!?

そらのことを見ると、目が合ってしまった。



「じゃあ、俺らも今度デートする?」



………………。


デ、デート?

誰と誰が?

あたしと、そらが…?



「え!」

「ふっ、冗談」



冗談……

そらが口に手をあてて笑っている。

からかわれるだなんて、不覚。



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