冷酷系女子
12.デート×デート
「で、何なのこれ。」
そらが、コーヒーを飲みながらあたしにたずねる。
「何って、デート…
の、監視だけど。」
そう、あたし達は颯と清香のデートを見に来ていた。
遠くからね。
尾行だとか、そういった怪しいものではなくて、そう、監視
「何で俺と月島サンがあいつらのデートの監視してんだよ」
「だって、そらは気にならないの?」
清香は好きな子じゃない。
そらが、気にするんじゃないかって思ったからこうやって尾行…監視しに来ているのに。
「別に。」
…え、べ、別に?
そらは落ち着いた様子で、コーヒーを飲んでいる。
ちらりと颯たちが座っていた席を覗くと、そこに二人の姿はなかった。
「そら、まったりコーヒーをすすっている場合じゃないわ、さっそくターゲットを見失ったみたい。」
「なんか、へたくそすぎねー?」
…だって、尾行なんてしたことないもの。