冷酷系女子



「とりあえずさ、月島サンも何か飲めば」

「でも…」



それじゃあ清香たちを本格的に見失ってしまう。



「いちお、デートでしょ、こっちも」



この間から、あたしはそらにからかわれているのかしら。

…デートは冗談だと言ったくせに。



「あ、それから…」



向かいに座っているそらの手が、あたしの方へ伸びてくる。

思わず身構えていると、その手はあたしのかけていた眼鏡をつかんだ。



「変装のつもりかなんなのか知らねーけど、似合ってないから。」

「あ、そう…。」



今日のために、色々DVDを見たりして研究をしてみたのだけれど

ほら、以前借りた漫画みたいに
勉強の一貫として。

尾行=変装だと思ったのに、どうやら失敗みたいね。



「月島サンさ、」

「え?」

「見捨てないでやって、あいつのこと」



そらが言うあいつって、清香のこと…よね?



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