冷酷系女子
………そらまめ?
どうしたの、急に。
「食べたいの?」
「いや、名前、俺の名前の由来」
そらの名前の由来が、
そらまめ……
「前に話してたじゃん、月島サンの名前の由来
。
俺の名前って、なんで漢字で空じゃねーんだろって、ずっと思ってて
月島サンと話したあと、親に聞いてみたら初めてわかったことなんだけどさ」
青い空を見上げて、そらみたいだと思ったのに。
“そら”はあの“空”ではなかった。
それにしても、そらまめって……
「なに笑ってんだよ」
「だって、そらまめって」
そらのご両親は、そらまめが好きなのかとか
そらまめを通じて出会ったのかとか色々想像をしてしまう。
なんだか可愛らしすぎて、可笑しい。
「なんか16年生きてきて話して初めて知ったっつーか」
「それは衝撃ね」
「まぁ、こんなことも初めてなんだけど…」
そらが、机に肘をついてこちらを見ている。
なに?この間は……
「俺、月島百合のこと気になってるみたいなんだよね」
「…………え」
「えって何」
「だって」
いま、何と言ったの?
「何の脈絡もないから、
どうやってそうなってそこまで話が飛んだのか」
なんだろう
この感情は
嬉しい?
好きだとか、言われた訳ではないのに、すごく嬉しくなった。
「なに、赤くなってんの」
「そっ、そらのせいよ!」