冷酷系女子
その後も清香の言葉が気になって、授業も何もかも集中が出来なかった。
清香の好きも、そらの好きも、本当にもう過去形なの…?
「ゆーりーちゃん!」
だって二人は両想いだったのに。
「おーいっ」
「わっ!!」
気がつくと、目の前には颯が居た。
「おー、驚く百合ちゃん新鮮!」
いつも、困ったときには笑顔の颯が現れる。
タイミングが良すぎるくらい。
「なに?考えごと?」
「……個人情報になるから、匿名で話してもいい?」
「わ、さすが真面目だね!うん、聞くよ」
少し前までのあたしなら、誰かに相談をしたり、友達や恋のことで悩んだりするだなんて、絶対になかった。
なんだか、今のこの状況が不思議。
「なるほど、そんで、SくんとSちゃんの仲を百合ちゃんが壊してるんじゃないかと?」
颯があたしが話したことを要約する。
それに軽く頷いた。
「あたしが居ることで結ばれるはずの二人が、離れてしまったのかもって」
あたしが、そらを好きになんてなったから
「それはさぁ、逆だよ、百合ちゃん」
「逆?」
「うん、百合ちゃんがいたお陰で皆気づいたんだよ」
あたしのお陰で…?って?
「そらも、清香ちんも、百合ちゃんのせいじゃなくて、百合ちゃんのお陰で変わってんの」