冷酷系女子



大きな、噂……



「例えば?」



そらを見ると、真剣な目であたしをじっと見ていた。



「月島百合と結城そらが付き合ってる、とか。」

「…………」



え?

今………


「……まぁ、あくまで噂だけどな」



口元を隠して下を向きながら、そらが言う。

そのせいか、表情がよく見えない。



「噂、なの?」


そらの顔を覗きこむと、彼は目だけを上に向けてあたしを見た。



「どうする?」



ど、どうするって……

鼓動が、速くなるのを感じた。

なに、これ……






「月島サンさぁ、まだ俺のこと好きでしょ」



そらに言われて、ドキッとする。

彼がそんなことを言うだなんて、思ってもいなかったから。

そらは人差し指を伸ばし、ある一点を指差した。



「だってコレ、昨日までは違ったから。」



昨日書き換えた相合い傘

その前までは、結城くんとみゆだったのを
あたしは“み”の字を消して、“り”の字を足していた。

我ながら恥ずかしいことをしたと思う。



「いつも見てたの?」

「見えんだよ、気づいたら視界に入ってんの」



それからそらは、あたしを指差す。



「月島百合みたいに」


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