冷酷系女子



「だって、手がすごく熱いもの」



あたしとは真逆で、そらの手はすごく温かかった。



「……ちげーよこれは、緊張」



緊張……?そらが?



「笑うなよ」

「だって」



そらが緊張だなんて、可笑しい、似合わない



「初めて見たかもな、笑ってんの」




そうだった?

確かに、そらの前で笑ったことって、今までなかったかもしれない。

それはきっとあたしがずっと緊張していたからだ。

冷たかった手が、そらの体温で温かくなっていく。



「俺、好きだよ?」



…………そらが、好き、だなんて

前までのあたしには
想像もつかなかった。

友達が出来たり、告白だとか、両思い……



「あたしも、そらが好き」

「……それって、どっちの?」



前に、そらと噂になった時のことを思い出して、あたしたちは顔を見合わせて笑う。








いつも、手の届かない距離にいてあたしたちを見下ろしているあの空が好き。

それから…今、目の前に居るそらが大好き。







- END -



< 117 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop