冷酷系女子
彼女は変わってる。
あたしとは、正反対
だから気になるのかもしれない。
「月島サンはどーすんの、そーゆー時」
「あたしならまず何を言われても全く気にならない。慣れてるもの。」
「でも女子に殴られて死のうとしてなかったっけ」
"そら"がニヤニヤと笑う。
「ありえないわ、あれは誤解よ」
女子に殴られたくらいで死ぬなんて、そんな弱い人間に見えるのかしら。
「でも、俺の知り合いにもいるなそんな奴。」
表情を戻して、そらが言う。
「傷付いてるくせに誰にも頼んないで、ほっとけないっつーか。あんたもそーゆー女子だと思ってたけど、月島サンて案外強いんだな」
「当たり前よ、あんなのと一緒にしないで」
もうすぐ授業が始まる
立ち上がって、スカートの汚れをほろう。
目の前の壁に目をやると、ピンクのペンで落書きがあった。
「今時、相合い傘って有り?」
「は?」
壁の落書きを指さすと、そらは目を細めてそれを見た。
ハートの下に、三角の傘、真ん中に引いた一本の線を隔てて"結城くん"と"みゆ"の文字。
「噂通りモテるのね」
「月島は?」
「え?」
あたしが、モテるかどうかって事?