冷酷系女子
素直に女の子に付いて行こうとすると、案の定男があたしの腕を掴む。
何よ、止めないでよ
あなたが絡むとよけいやっかいなの。
「なんかあったら、すぐ呼んで」
だけど彼はそれだけ言うと、ひらひらと手を振って笑顔であたしを見送った。
「結城くんに告ったって?しかも次は颯?」
「超男好き」
「乗り換え早すぎなんだよ」
人気のない場所で、集団になって罵声を浴びせる…まぁ定番ね。
そんなことであたしが怯むとでも思ってるのかしら。
別にあたしは何一つ悪い事してないんだから、謝る事も怖がることだってないのに。
「なんか言えよ」
集団の中の一人が、あたしの髪を掴む。
あぁ
髪は女の命だって、教えられなかったのかしら。
思いきり引っ張られると、さすがに痛いわ