冷酷系女子
「離して」
「え?何言ってるか聞こえないんだけどー」
女の子たちがギャハギャハと下品な声で笑う
いや、女の子じゃないわ
もはや雌ね
キーキー叫んでる猿山の中の雌猿
そんなこと言ったら猿に失礼かしら?
…まぁどうでもいいわ。
普通に頼んだってこの人たちには通用しない事、わかってたもの。
とにかくなんとかこの場を切り抜けられればいいわ。
そう思って、ポケットに手を入れる。
そこにはたたんだままのメモ用紙が入っていた。
「あなた達がその気なら…」
彼に、助けを求めるのはとても屈辱的だけれど
「結城くんに知らせるわね、あなた達に虐められてるのーって。」
「はぁ?」
「てか証拠もないのに、信じるわけなくない?」
「じゃあ今から電話するわ」
ポケットから、電話番号の書いた紙を取り出す。
あたしの髪を掴んでた彼女は、その手を離し、勢いよく紙を奪い取った。
「なにこれ、結城くんの番号!?」
「嘘っ、何回聞いても番号教えてくれないのに!!!」
「これは没収ー」
…群がったわね。