冷酷系女子



「空が好き」

「は?」

「って言ったことが、やっかいなことになっているらしいわ」


そらは眉間にシワを寄せて、顔を歪ませる。



「あたしが"結城そらが好き"ってことになってるみたい」

「うわ、なんだそれありえねっ」



ほんと、ありえない。

だいたい誰がどうやってそんな噂を…



「つかさ、それって俺らの話を誰かが聞いてたって事だよな?」



…確かに。

あの時は屋上にはそらとあたししかいなかった。

いるはずがない、だって、立ち入り禁止なのだから。

けれど、あたし達以外の誰かが話を聞いていた。

そしてありもしない噂を立てているのだ。



「もしかして月島サン、ストーカーされてんじゃない?」

「なんであたしが」



ストーカーされるなら、そらでしょう

あの結城くんなのだから。



「心当たりとかねーの?
例えばヒドい振り方した奴がいるとか」



……それは

心当たりというか、ずばりと当てはまる人物がいる。



「ヒドい振り方はしてないと思う、無理と普通に断っただけよ」

「月島サン言い方冷たそーだしな、恨まれてんじゃない」



恨む…あたしを?

そうか、そんな頭の悪い人間もいるのね、ますます理解出来ない。



「ま、気ーつけて」



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