冷酷系女子
「そら、って…月島さん、そらと知り合いなの?意外っ」
あたしの会話を聞いて、早瀬さんが驚いた顔をする。
早瀬さんこそ
そらと知り合いなのね。
まぁ、"みんなの結城くん"だから知らない人なんていないだろうけど
『せいか…?』
携帯の向こうからぼそっと、ちいさく聞こえた。
『月島サン、早瀬そこにいんの?』
そらの声。
ちらりと早瀬さんを見る
「ええ、いるけど」
『悪い、代わって』
言われた通り、あたしの携帯電話を早瀬さんに渡す。
5分程すると、早瀬さんは携帯を閉じてあたしに返した。
「なんか、そら今から来るって」
「は?」
なぜ、彼がここに?
早瀬さんに話を聞いて、あたしに気でも遣っているのだろうか
別に、そんなこと望んでいないのに
「でも珍しいな、そらがわざわざこっちまで来るなんて」
早瀬さんが、"そら"と何度も口にする
あたしの記憶が正しければ、そらのことを名前で呼ぶ人間は少ない。
きっと、早瀬さんとそらは相当親しい間柄なんだと思う
だからって別に、あたしには関係ないけど。