冷酷系女子
それにしてもなぜ立ち入り禁止の場所に、結城くんが居るのだろう。
「いっつも屋上、来てるの?」
あたしは気になったことをぶつけてみた。
「まぁ、鍵俺持ってるし」
結城くんはポケットから屋上の鍵を出して見せる。
なんで鍵を持ってるのかは、そんなに興味がなかったから詳しくは聞かなかった。
だってあたし、ドア軽く蹴ったら開いたし。
「じゃああたし今邪魔じゃない?」
「は?なんで?」
だってせっかくの憩いの場、邪魔されたらいい気しないだろうし
「別に、誰のもんでもなくない?立ち入り禁止場所だし」
そう言うと結城くんはフェンスによしかかって座った。
脆いから危ないって今自分で言ったばっかなのに…
「そ、」
まぁ、いっか。
「よかった。あたし、ここの景色気に入っちゃったから」
「景色…?」
「うん。」
あたしは、空を見上げる。
「好きなんだよね、そら」