冷酷系女子
 


それにしてもなぜ立ち入り禁止の場所に、結城くんが居るのだろう。



「いっつも屋上、来てるの?」



あたしは気になったことをぶつけてみた。



「まぁ、鍵俺持ってるし」



結城くんはポケットから屋上の鍵を出して見せる。

なんで鍵を持ってるのかは、そんなに興味がなかったから詳しくは聞かなかった。

だってあたし、ドア軽く蹴ったら開いたし。



「じゃああたし今邪魔じゃない?」

「は?なんで?」



だってせっかくの憩いの場、邪魔されたらいい気しないだろうし



「別に、誰のもんでもなくない?立ち入り禁止場所だし」



そう言うと結城くんはフェンスによしかかって座った。

脆いから危ないって今自分で言ったばっかなのに…



「そ、」



まぁ、いっか。



「よかった。あたし、ここの景色気に入っちゃったから」

「景色…?」

「うん。」



あたしは、空を見上げる。



「好きなんだよね、そら」



< 4 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop