冷酷系女子
30分後、予告通りそらは来た。
「で、ストーカーはつかまった?」
席につくなり、そらが言う。
「捕まったって…別に、何かされた訳でもないし」
「や、つけられた時点で何かされてんじゃん」
まあ確かにそうか。
でも何か怪我をした訳でもないし、終わった事だし、とりあえずもう彼の事は思い出したくなかった。
「もーそら!月島さんにやな事思い出させないでよ!」
こういう時同じ女性ってすごい。
彼女はまるであたしの考えていたことがわかったみたいに、そらに注意をする。
「つーかお前は、なんでここにいんだよ」
「なんでって、だって月島さん一人じゃ危ないじゃん
ねっ、このあとちゃんと送るから安心して月島さん!!!」
「いやあたしは別に…」
早瀬さんの目がキラキラしている
この人は、人に頼られることが生き甲斐なのだろうか。
ただなんとなくで呼んだだけで、頼っているつもりはないけど
「じゃーそのあとお前はどーすんだよ」
「わたしっ?わたしはっ…」
「危ねーだろ、一応女なんだから」
「わたしは、何かあったら功ちゃん呼ぶから大丈夫だよ」
「…あっそ。」
目の前で、そらと早瀬さんが会話してる。
二人とも、あたしと話す時とは別の口調で。
テーブルに肘をついて窓の外を見るそらの視線の行く先が、ガラスにうつった早瀬さんを見てる。
あたしでもなんとなくで気付く
そらは、早瀬さんが好きなんだ。