冷酷系女子
6.恋を教えて
「百合ちゃん、一緒にご飯食べよ」
食堂で一人、お昼を食べていると、隣に早瀬さんが座った。
ここ最近、というかあの日から早瀬さんが妙に懐いてくる。
正直、少し鬱陶しい。
「なぁーんか2人、仲良くなってない?」
大量にパンを抱えた颯が向かいの席に座る。
見た目の割に、沢山食べるのね。
「彼氏に振られた彼女を慰めたら、こうなったのよ」
「えー百合ちゃん慰めてはくれてないよ」
…随分素直になったわね、あなた。
「へー清香ちん別れちゃったんだぁ」
…颯の言葉に、何故だか違和感を感じた。
それだけ?
「颯なら、"男も見る目ないねー俺にしときなよ~"とか適当な事言いそうなのに」
「えー百合ちゃんならそう言って欲しい?」
ニタニタと颯が嫌な笑いをする。
言うんじゃなかった。
そんな訳ないじゃない。
「んー、だってさ
男が見る目ないってことになったら、その男選んだ清香ちんも見る目ないってことになんじゃん
清香ちんは俺が見る限りすっごい魅力的な女の子だからね」
よくまぁ…そんな寒いことをスラスラと。
さすがに早瀬さんも顔を赤くしている。
ふぅん、女性としてはときめく場面なのか、ここは。