冷酷系女子
「は?なに庇ってんの」
「あんたこの女に裏切られてんじゃん」
「そっ…それは……」
ちらっと早瀬さんがあたしを見る。
なによ、ここまできてあたしに助けを求める気?
「"それは…"なに?てかあんた邪魔なんだけど、どけよ」
女の一人が早瀬さんの肩に手をかけた瞬間、絶妙なタイミングで、彼は来た。
「なーにしてんの、月島サン」
「「ゆっ、結城くん!?」」
そらを見て一斉にみんながあたし達から離れる。
「何って、見てわからない?彼女達にリンチされてるの」
「は?何言ってんだよ…何言ってるのよ、月島さん」
「誤解だよ、結城くん」
「2人が転んじゃったみたいだから、た、助けようと思って」
それは、無理すぎる言い訳なんじゃない?
「ふーん」
ふーんって、何よ。
「授業始まるけど」
チャイムが鳴る。
そらの言葉とチャイムの音を聞いて、ぞろぞろと女子達が去っていく
「じゃあね、結城くんっ」
偽物の笑顔を作って、手を振って。