冷酷系女子



女の子達がぞろぞろと帰って行くのを確認してから、早瀬さんはあたしの制服を勢いよく叩き始めた。

汚れを払っているつもりなのだろうけど、痛い。



「大丈夫?百合ちゃん!!」

「大丈夫だから、やめてそれ」



あたしが手をどけると、彼女は少ししょんぼりとした顔をした。



「わたし、信じてないからね、さっきの
だって百合ちゃん言ってたもん、わたしのこと、嫌わないからって…」



友達じゃないと言った事で、彼女を傷つけてしまったのかもしれない。

だってまさか
本気であたしと友達でいたいだなんて、思ってくれている女の子がいるだなんて思ってなかったから。

わからなかった、こんな反応をされるだなんて



「…つーか人の心配より、自分の心配しろよお前は
そして早くお前も教室行け」

「え、でも百合ちゃん怪我してるかもだしっ保健室に…」

「俺が連れてく」



早瀬さんは何を感じたのか、ニヤニヤと笑いながら、わかったと言って去っていった。

彼女のわかったの意味は、何か違う気がする…。



「じゃー月島サンは、こっち」



無表情のそらに連れられて、ついたのはいつもの屋上だった。



< 52 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop