冷酷系女子



「おねーさんかわいいね、ひとり?」



向かいの席に、男が座る。



「珍しいね、一人でこんなとこ」

「颯に、会えるかと思って。」



放課後、あたしは颯のバイトしているファミレスに来ていた。

何故だかわからないけれど、早瀬さんでもそらでもなく、颯と話がしたかったから。



「…………」



あのおしゃべりな颯が黙る

何よ、何か言ってよ

少しすると、颯は息を止めていたのかぶはっと口から音を吐き出してから自分の胸を押さえてしゃべり始めた。



「…っぶねー!百合ちゃんそゆのやめてよ男は勘違いすんだからさー!」



勘違いって、何



「それより俺に会いたかったってことはー、まさかひょっとして百合ちゃん俺のこと好「違うわ」



颯の言葉を言い切る前に否定する。

彼の言いたいことは、なんとなくわかったから。



「ははっ、わかってるよ~
なになに俺に頼み事でもあんのかな?ほら、この前言い掛けてたじゃん
聞くよ?ん?」



そう言って颯は、自分の耳に手をあてる。

なぜ、あたしの思っていたことがわかるのだろうか。



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