冷酷系女子
散々連れ回され、辺りは真っ暗で、なぜかあたしの頭には変な動物の耳がついたカチューシャ。
そして気づけばもう自分の住むマンションの前にいた。
「じゃ、今日の勉強は終わりね」
勉強って、何よ
ただ遊びまわって自分だけ勝手にはしゃいでただけじゃない
颯がぽんぽんと子供みたいにあたしの頭を撫でる。
あたしはその手を払いのけて、頭からカチューシャをはずした。
「ねぇ、そもそも恋って何なの」
恋を教えてほしいと頼んだのだから、まず恋とは何かを教えてもらうのが道理でしょう?
颯を見つめると、急に真剣な顔になり、あたしの後頭部に右手を添えると、不意に顔を近づける。
「…なんのつもり?」
あたしのおでこと鼻に、颯のおでこと鼻がぶつかると彼は近くでニヤッと笑ってから離れた。
「えー何ってドキドキしない?キュンってしない?」
「なにそれ」
あたしが冷めた視線をおくっていると、今度は体ごと颯に引き寄せられた。
「…あ、ほらドキドキしてる」