冷酷系女子
7.ほっとけない女
「ねぇ、そらはなんで早瀬さんを好きだと気付いたの」
颯が言ってた。
恋は簡単に恋だと気付かないから恋なんだって
簡単に気付かないものなら、そらはどうやって早瀬さんを好きだと気付いたのだろう。
「…てか月島サンってさぁ、"気まずい"とかいう気持ちないの?」
「気まずい?何故?」
だってそらが言ったんじゃない、話し相手になるって。
「ま、いーけど
それに好きじゃねーって言ってんじゃん」
そらは面倒臭そうに立ち上がって、屋上のドアに手をかける。
「そらのせいで嫌がらせされてるんだから、それくらい答えてくれたっていいでしょ?」
「は?」
そらがあたしを振り返る。
「そらがあの時助けたりするから、余計に嫌がらせがひどくなったの。
ここの傷は朝呼び出されて、こっちの腫れは今日のお昼の」
怪我した箇所を次々指差す。
あの日以来、呼び出される回数が以前よりも増えた。
「あんたが女子に嫌われてんのはあんたの性格のせいだろ?俺のせいにすんなよ」
…まぁ、その通りなんだけど。
「それに、俺が助けたのは月島サンじゃないから」
そう言い残して、そらは出て行った。
なによ、それ…
「やっぱり、早瀬さんの為じゃない」
気付いてないわけじゃないはずなのに、どうして隠すの?
まさか、本当に気付いてないの?
だから、恋なの?