冷酷系女子
「…ねぇ、じゃあもし次にあなたの名前を呼ぶ機会があったら、そらって呼んでもいい?」
そう言ってから結城くんを見ると、彼は不思議そうに私の顔を見た。
「は?あぁ、まぁいいけど」
「ありがとう」
せっかく素敵な名前があるのに、名字で呼んでしまうなんてもったいないから。
まぁ、また話す機会があればの時だけだけれど
「ん、じゃあ俺はなんて呼んだら…」
「あ、あたしは普通に月島さんでいいから」
そんなに深い関係にもなりたくないし
いきなり名前や呼び捨てで呼ばれたくないから
「なんか温度差ねぇ?ま、いーけど」
そう言ってそらは、深くは入り込もうとしてこなかった。
そのくらいがちょうどいい
そのくらいの距離が心地いい
本当に空みたいに一定の距離を保って居てくれる人なんだと感じた。
空に向かって、手を伸ばす
「なにやってんの?」
「別に」
「ふーん」
やっぱり、ちょうどいい。