冷酷系女子
そらの定位置に座ると、早瀬さんが見えた。
裏庭でひとり、お弁当を広げてる。
その様子を見て初めて今がお昼休みなんだと気付いた。
あの日以来、早瀬さんとは一言も話してないし、顔を合わせてすらいない。
そらに構うなと言われたから。
見下ろす先の早瀬さんは、お弁当は広げているけれど、さっきからそれに一口も手をつけていない。
自惚れていると思われるかもしれないけれど、その理由はあたしかもしれない。
しばらくしてそこにそらが現れて、早瀬さんが少しずつご飯を口にする。
早瀬さんが笑ってる。
そらが笑ってる。
彼女の前ではあたしの知らない顔ばかり。
なにを…話しているの
「…関係ないわ」
反対を向いて座る。
けれど気になって首だけを後ろにずらせば、もうそこに2人の姿はなかった。
「何してるの、あたし」
そらを見ていれば、早瀬さんのことが好きなのは明らか。
だってそらは、ずっと早瀬さんを見てる。
いつもそらのことを見てる女の子たちみたいに。