冷酷系女子
「自然とあなたを、目で追ってる…-ズキッ、和樹が他の女の子と話してるだけで、なんでこんなにもやもやするの…?これじゃ、まるでわたし…和樹のこと……」
「なぁ、マンガ音読すんのやめねぇ?しかも棒読み」
「あ、そら」
視線を上にずらせば、そらがいた。
あたしはあれから再び屋上に戻り、颯…正確にはまいまいから借りた漫画を読んでいた。
「自習よ、自習」
「は?なに自習って」
そらは不思議そうな顔をしてから、どんっとあたしのすぐ隣に座った。
かと思えば、ずいずいと肩であたしを横に押す。
「つかここ俺の場所でしょ」
「いいじゃない、いつも座ってるんだから」
「無理」
ぐいぐいと押してくるそらの方を少し見る。
「……………」
「なに、座んないの」
急に立ち上がったあたしを見上げて、そらが言う。
「いい、立ってたい気分なの」
なんだか急に、そんな気分になったの。